そんな強運の持ち主、香里でも、何から何まで順風満帆にいくわけではない。
時にはつまづき、周りの人に支えてもらうこともしばしば。
もちろん、香里の周囲に支えてくれる人が多くいること自体、強運といえば強運なのだが…。

第五章にて登場した「カエル工場長」も、香里を支える一人。
香里は言う。

「困ったときは、やっぱり彼なのよね…」

"困ったときはカエル頼み"。香里がそう感じたエピソードのひとつをご紹介しよう。

ある時期、多くのお客様から同じようなリクエストが香里のもとに届いた。

「シュッとスプレーしたら肌が白くなるものを作って！」
「一瞬で肌を引き締められるものがいいわ」
「お化粧の上からスプレーで潤い補給できるものがほしいの」etc…。

何とも無謀なリクエストである。

「もうね、エステサロンの施術で使うような、ミスト状噴霧器のようなクオリティのものを熱望されるのよ。
まるで、私を魔法使いとでも思っているのかしら？(笑)
皆さん、中島さんならやってくれる！ と期待してくれているの。それなら、作るしかないじゃない？」

香里はいつも、「私がここまで成長できたのは、美意識が高いお客様のおかげ」だと言う。
お客様が最高のものを求めるから、その高いハードルを越えよう、超えようとすることで成長できるのだ、と。

だから今回も、香里はひるまなかった。

だが…。

もちろん、制作は難を極めた。開発担当が次々と音をあげていく。
そこで香里は、自らカエル工場長に何度も何度も電話をかけ、「あなたしかいないのよ！」と懇願したそう。
香里に頼まれるとイヤとは言えないカエルは、いそいそと商品開発に取りかかった…。

そして―。
カエル工場長は、やってくれた！
かなりの時間を要したが、彼の技術力と類まれなる熱意によって、"夢のようなミスト"が誕生。
そう、皆さんもご存じ『ジュエリーミスト(Jミスト）』誕生の陰に、カエル工場長の尽力があったのだ。

実際、「カエル工場長」の技術力は、すごい。
『バブルホワイト』の、いつまでもたってもへたれない泡を開発したのも、実は彼。
お客様の要望を、香里の夢を、次々に形にする頼れる男、なのである！

こんなにすごいことを成し遂げていながら、カエル工場長はいつも飄々としている。

香里は言う。

「だから、本人に面と向かって褒めたことはないの。調子にのるだけだし(笑)。
でも、彼の技術力は本当にすごいのよ。彼も強運の持ち主なんじゃないかしらね」

2016年もそろそろ終わり。
ここで、香里から皆さんへのメッセージをお伝えしよう。

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※掲載内容は2016年当時の情報です。