楽しい会話、美味しいお食事に皆が気分よく過ごしているなか、香里だけが頭痛と寒気に襲われ、震えが止まらない状態に！
脚もゾウのようにむくみ始め、「風邪をひいたかしら？」と早めに会を抜け出した香里は、
ひとりホテルの部屋に戻ったという。

「部屋に戻ったら、もう頭が尋常じゃないくらいの痛さにまでなってしまって。
私は経験したことはないけれど、これはくも膜下出血じゃないかと思うほどの割れるような痛さだったの。
ああ、今日でお陀仏だと死を覚悟したのよ(笑)」

それでも香里は、風邪の引き始めならお風呂に入って汗を流せばなんとかなる！ と思い、入浴して汗を出した。
頭痛薬もスタッフからもらって飲んだという。
しかし、頭痛はズキンズキンとさらに激しくなり、めまいもひどく、ついには立っていられなくなるほどに…！

ここで香里がとった行動は、想像を超えたものだった。
なんと、香里は服やら化粧品やら身の回りのものを整理し、トランクに荷物を詰め、
自分は新しいパジャマに着替え…と身支度を整えたのである！

「万が一このまま死ぬことにでもなったら、部屋が汚いままなのは嫌でしょう？
そこはしっかり整理整頓をして、と無意識で動いてしまっていたみたい。頭が割れるように痛いのにね」

そうこうしているうちに、香里はベッドで気を失ってしまったのである！

そして翌朝。
香里が目覚めると、全身びっしょりと汗をかいていた。
当時を振り返り、香里はこう言った。

「正直、助かった…と思ってホッと胸をなでおろしたのを今でも覚えているわ」

汗をかいたことで幾分かラクになった香里は（でもまだ、頭痛はしていた）、
その日のライブ出演分をなんとかこなし、飛行機の時間を早めて帰国の途についた。

後日、内科の先生にこのときの症状や経過を相談したところ、
「それは熱中症だね。汗をかいたことで、助かったんだよ」と言われたのだそう。

香里は言う。

「暑さにはまいっていたけれど、まさか自分が熱中症になるとは思ってもみなかったの。
どこかで熱中症になる方のことは他人事だと思っていたのよね。でも、違う。
年齢を重ねれば重ねるほど、夏の暑さは怖いものだわ。皆さんも気を付けてくださいね」

次回は、そんな香里の夏の過ごし方に迫ります。
熱中症に懲りた香里の、夏の元気の源をご紹介、ぜひ、ご期待ください！