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- 中島かおり道 第十二章 《美のカリスマへの道~主婦の私、社長の私、広告塔の私~》
「美白の女神(ミューズ)」「美白大臣」「TV通販の女王」と呼ばれる中島香里。
しかし、香里が香里になるまでに波乱万丈のドラマがあった――!
怒濤の半生を全24回でお届けします!
第十二章
美のカリスマへの道~主婦の私、社長の私、広告塔の私~
再出演の立役者はビフィズス菌の美容液。
当時は「3,000円前後の商品が100個でも売れれば御の字」という時代。
しかし香里が出演し紹介したビフィズス菌美容液は15,000円という高額商品にもかかわらず、なんと数百個を販売する驚異的なヒット商品になり、大騒ぎになったのであった。
さらに、香里はクリスタルジェミーの広告塔として自分自身を磨き上げるため、徹底的に分析を始めた。
そして香里が辿り着いたのは、品格があり優雅で、それでいて香里の白肌を引き立てるファッションだった。
「今日はどんな服を着て出てくるのだろう?」と楽しみにしてくださるお客さまも増え、香里独自のファッションが定着していき、現在に続く「香里スタイル」が完成した。
ある日、香里は商品を選定する会議のため、ショップチャンネルを訪れていた。
この時、香里はひそかにとある「秘密兵器」を持参していた。
その秘密兵器とは──!?
香里の「秘密兵器」ついに登場!
ビフィズス菌美容液と飲むビフィズス菌が好調な中、香里はテレビ通販番組の打合せでショップチャンネルの会議へと出向いていた。
「次も好調なビフィズス菌美容液と飲むビフィズス菌で」とほぼ決まりかけていた時、香里はひそかに持ち込んでいた「秘密兵器」を取り出した!
「これならば! もっと売る自信があります!」
取り出した秘密兵器は「チェンジセット」だ。
「チェンジエッセンスとマスク」がセットになったチェンジセットを秘密兵器としてコッソリ持ち込み、プレゼンを始めたのであった。
「この商品なら絶対にいける!」
と、香里は絶対の自信を持っていた。
この香里の秘密兵器を見たスタッフからは
「アッ! これ面白いね!」「テレビ通販向きだね!」と興味の声が湧き上がり、ビフィズス菌美容液ではなく「チェンジセット」がテレビデビューを飾ることになった。
「私と一緒にお肌を"チェンジ"しましょう!」
番組開始早々、香里の言葉がお客さまに届くと、注文を受け付けるカスタマーセンターに続々と注文の連絡が入る。
電話の鳴り響く音が止まない。在庫はどんどん減っていく。
最終的に「チェンジセット」は大ヒット商品「ビフィズス菌美容液」を上回る驚異的な売上を記録した。
この「チェンジエッセンス」は、後に「チェンジシリーズ」へと成長し、今もクリスタルジェミーを支えるトップブランドとなっている。
──香里が出演すると必ず売上目標を達成する。
テレビ通販業界ではそんな認識が広まりつつあった。
そしてこの大ヒットを受けて香里の日常にテレビ出演が組み込まれ、分刻みの超多忙なスケジュールを送ることになる。
超多忙! 主婦・社長・広告塔 香里の一日に密着!
「主婦の顔」、「社長の顔」、そして「広告塔の顔」。
この3つの顔を使い分ける当時の香里に密着取材をしたタイムスケジュールを見てみよう!
<中島香里・ある日のタイムスケジュール>
体重とお肌の状態をチェック!
お肌と体形の管理もたいせつな仕事。
朝起きたら、眠っている間にターンオーバーで浮き出た老廃物を洗顔料で落とし、お肌の状態を確認。
体重を計るのも日課の一つ。
毎朝手作り! 家族4人の朝食を30分で用意
朝食の好みは母、夫、長男、香里でバラバラ。
朝食は一日の活力なので、手を抜かず、夫にはパンとサラダ、
母には玉子かけごはんにハムサラダにぶどうジュースなど、
それぞれが好きなものを30分で用意!
母の素肌美は親孝行のバロメーター
当時、認知症で体が思うように動かない母のために、
毎朝、化粧水や美容液でスキンケアをした後には、
眉と口紅を引いてメイクアップ。
最初の仕事はオフィスのお掃除
出社したら社員総出でオフィスのお掃除をするのが会社のルール。
その後、毎朝9時半から朝礼を始める。
お客さまの声は"金の卵"
お客さまから毎朝届くおハガキには貴重なご意見やご感想がたくさん!
よりよい商品をお届するために1枚1枚大切に拝見します。
企画会議はオープンな雰囲気で
会議では誰もが自由に意見を言えるようになごやかな雰囲気づくりを心掛ける。
時には香里の提案に「コストがかかりすぎる」と工場からダメ出しされることも。。
行きつけのカフェでホットケーキランチ
ランチによく利用するのが、自宅と会社の中間にあるカフェ。ここのホットケーキが大好物!
時間のない時は「すぐ行くから焼き始めてて」と電話して焼いておいてもらうことも。
テレビ出演に備え勉強タイム
テレビ出演は生放送!商品の資料に目を通し、化粧品の配合成分をすべて覚えて放送に挑みます。
資料はいつでも持ち歩き、隙間をのがさず「ながら勉強」!
1回帰宅して、家族の夕食を準備
夜からテレビ出演や会食、出張などの予定がある時は、早めに帰宅し、夕食を作る。
「主婦として家族の食事をおろそかにしない」
仕事を始めた時から決めている香里のマイルール。
愛車で熱唱! テレビ出演のために一人でスタジオ入り
今でもテレビ出演は必ず自分で車を運転し、一人でスタジオ入りをする。気合いを入れたい時の車内BGMは、美空ひばりの「人生一路」と「港町十三番地」。細川たかしの「津軽じょんがら節」。いっしょに歌って気合いを充填。
放送前にキャストと打ち合わせ
番組でいっしょに商品を紹介する進行役のキャストと打ち合わせ。
生放送の大まかな展開と要点を確認したら、あとは臨機応変に"香里節"で進めていく。
生放送・本番! 商品紹介は「かけあい漫才」?
1時間の生放送では"香里節"全開でお客さまを飽きさせない。
体験談やおもしろエピソードを披露して「かけあい漫才」のように息のあったトークで進めていく。
トークがはずみ「漫才みたい」とウケた日は、決まって受注センターに注文殺到!
今日も大反響! 生放送後のチェック
1時間の収録が終わると必ず番組スタッフに率直な感想を聞く。
客観性を失わず、より新鮮な番組になるように初出演時から香里が心がけていること。
お肌のお手入れ
どんなに疲れている時も、お肌のお手入れには手を抜かない。
「クリスタルジェミーの広告塔」としてのたいせつな仕事。
就寝
仕事が遅くなっても、お肌の新陳代謝が活発になる22時から26時には、なるべくベッドに入るようにしている。
「布団に入ったらすぐに眠ってしまう」
超多忙な日々を過ごしていても、香里の本質は専業主婦だった頃と少しも変わらない。
香里はどんなに忙しくても家族のために朝晩の食事は必ず作り、主婦として家事には一切手を抜かない。
「私はいつでも、自分の目の前にあるものに誠実でありたいだけなの」
「主婦としての日常」があるから、「社長としての時間」も、さらに「広告塔としてテレビの前のお客さまに向き合う時間」も、バランスを崩すことなく全力でこなしていけるのだ。
クリスタルジェミーの広告塔から"美のカリスマ"へ
「あの中島香里っていう人、面白いわね」
「私も香里さんみたいになれるかしら」
そう女性たちの間で話題にのぼることも多くなっていた。
「クリスタルジェミーの広告塔」という枠を超えて、次第に「美のカリスマ」としてテレビ通販だけでなく、民放のテレビ局、美容誌や女性誌などさまざまなメディアで注目されるようになっていった。
そして香里の代名詞となる"あの言葉"へと繋がっていくことになる。
はたしてそれは?