「若い頃、実は私はファンデーションをベタ塗りしていたの。
顔色が悪いってよく言われていたからそれが嫌で、黄色のコントロールカラーの上から
グリーンを塗り重ねて、さらに、リキッドの上からパウダリーを重ねていたのよ」

香里はその昔、首と顔の色が全然違う、というくらいに厚塗りの毎日だったらしい。

パウダーを重ねるとくすみが飛んでキレイに見えるのだが、
今度は、笑った時に乾燥による小ジワが目立ってきてしまい、困っていたのだとか。
友人には、「あなた30歳になったら見られたもんじゃないわよ」なんて
厳しいことも言われていた香里は、ずっと、
「リキッドでもパウダリーでもない、両方のいいとこどりができるような商品ってないかしら」と思っていたという。

時は流れ―。

仕事を始めてからの香里は、クリスタルジェミーの商品力のおかげですっぴんに自信が持てるようになり、
また、「自身が美素肌を証明して宣伝塔になる」という想いから、ファンデーションは使わなくなっていった。

「まったく必要なくなってしまったから、ファンデーションのことは一切考えなくなってしまったの」

でも、クリスタルジェミーのお客様が増えるにつれ、「ファンデーションを作って！」という依頼も殺到し始めたという。

「あなたはキレイになったからいらないでしょうけれど、私たちはまだ発展途上なのよ！
キレイになるまでの間に使えるファンデーションが欲しいの。チェンジから出して！」

ごもっともである。

そこで香里は、ファンデーションの開発に取りかかった。

始めに商品化したのは、BBクリームだった。
サッと伸ばすだけで肌悩みをしっかり隠すのはもちろん“つるりんこん”肌になれる！
クリスタルジェミーから登場したメイクアイテムは、あっという間に完売の大人気商品となった。

すると、
「もっとカバー力があって、色が濃くつくものを作って！」
と、お客様。

そこで、次に誕生させたのが、パウダリーだった。
「いろいろなファンデーションを使ってきたけれど、お宅のは天才的だわ！」
と、この商品にも熱狂的なファンがついた。

「ずっと、美素肌になりましょう！って言ってきたのに、
こんなにファンデーションが売れるなんて、びっくりだったわ（笑）」

そして、スキンケアに強い会社ならではの強みを生かし、次に出したのが、CCクリーム。
豊富な美容成分配合で、素肌そのものを美しく整えるCCも大ヒットを記録してすぐ―。

「やっぱり美白だわ！ 美白もののファンデーションを作って」
とお客様の飽くなき欲求に応える形で誕生したのが、美白BBクリームだった。

「お客様のお声に、なんとかして応えたい。
そんな想いで、ほぼ言われるがまま（笑）、いろいろなファンデーション開発に取り組んできたの。
そのどれもが大ヒットとなり、お客様に満足していただけて嬉しかったけれど、ふと、思ったのよ。
私が若い頃にずっと欲しかったファンデーションって、何だったかな？って」