でもお客さまの声は優しい言葉だけではないはずだ。
時には厳しい声もあるのではないだろうか?
──「クレームは金の卵」! 厳しいご意見は改善のチャンスだと思っています。
「そもそも、もとはと言えば母が厳しいクレームを夫の会社に入れたことが私と夫との出会いなんですよ」と香里は語る。
夫の誠実な対応で、それまで怒っていた母も「この人が売るものならば信頼できる」と一転、友人に次々と紹介するまでになったらしい。
お客さまがクレームを発した時ほど、クリスタルジェミーの誠心誠意な姿勢を知ってもらう機会でもある。
「厳しいご意見」は「改善のチャンス」なんだ!という真摯で前向きな姿勢がビシビシ伝わってくる。
──お客さまの声に誠実であること、それが我が社の鉄則ですから!
今や有名デパートにも出店し、テレビ通販番組でも引く手あまたのクリスタルジェミーだが、その歴史は訪問販売から始まっている。
訪問販売では販売員がお客さまに信頼されなければ商品を購入してもらえない。
お店や通信販売と違い、訪問販売では基本的にお客さまと1対1で接することになる。
一人きりで商品の魅力をお伝えし購入してもらう……その緊張感たるや!
もし自分自身に不安を感じていたり、商品の品質に自信を持ちきれなければ、お客さまにすぐ見破られてしまうだろう。
そして購入に至ることなくドアを閉められてしまう。
人間力が売り上げに直結するのが訪問販売なのだ。
テレビ通販番組では日本中のお客さまに向かって商品をお勧めしている。
訪問販売と比べるとお客さまとの関係も変わるのではないだろうか?
──実はテレビの通販番組もお客さまとの1対1の勝負なんです。
テレビ通販番組……というと香里対数万のお客さまという構図を思い浮かべるが、
番組を見ているお客さまにとっては「香里から直接買っている」という感覚の方が多いらしい。
つまりテレビの画面の先にいる香里とお客さまは1対1の関係なのだ。
お客さまから香里がどれだけ信頼されているか、テレビ通販番組でもこの信頼が商品の売れ行きを左右する。
──テレビカメラの先にいるお客さま一人一人に直接おすすめしている。常にそう意識してテレビカメラの前に立っています。
常に1対1の関係を意識していると次第にテレビやおハガキのやり取りを通じてお客さまとの一体感が生まれ、気持ちのつながりを感じられるようになったという。
香里の初心を忘れない誠実さがお客さまに伝わっているからこそ、お客さまも「中島さんだから買う」「中島さんの商品なら間違いない」と思うのだろう。
お客さまと香里の気持ちのつながりを象徴するエピソードがある。
たとえば……
──病気療養中の女性やご家族の介護をされている方からおハガキをいただくこともあります。
ご主人を亡くされ生きる気力を無くしていた病気療養中の女性から「中島さんをテレビで見て元気が出ました」というおハガキや、ご家族を介護している女性からお悩みを連ねたおハガキが届くこともあるそうだ。
香里自身も母の介護をしてきたからこそその気持ちがわかる。
──すべてのおハガキにお返事を書くことは時間的に難しい……けれどその時には「一緒に頑張りましょうね」とお返事を書きました。
もう一つ、2011年3月の大震災にまつわる忘れられない体験も語ってくれた。
震災前日の3月10日、香里は深夜0時からテレビ通販のライブでスタジオに入っていた。
この時、東北のお客さまからもたくさんの注文があった。
そして11日の午前中に商品は発送された。
……その数時間後、あの大震災が発生。
被災地のお客さまに商品が届いたのは3週間後だった。
ガスも水道も電気も止まっている非日常の生活。
けれど……
──「顔だけじゃなく心も潤いましたよ」とメッセージをいただきました。
過酷な状況の中でもお客さまは商品を使い香里にメッセージを届けてくれた。
商品を通じてお客さまの元気や夢、希望といったパワーになっている……その事実があらためて胸に迫ってきたという。
──涙が出てきました。ボロボロとただ泣きました。
香里は被災地で大変な状況の中にいる女性に使っていただけるように、エコバックや栄養ドリンク、クリームの支援を行った。
「どんな時でも女性らしくいたい」そう願うみなさまのために、少しでも役に立てたらという香里の心配りだ。
香里とお客さまは商品でつながっているけれど、お届けしているのは商品だけじゃない。
そんな絆が伝わってくる。
元気を得ているのはお客さまだけじゃない!
香里自身もお客さまとのコミュニケーションがパワーの源になっている。
──お客さまのお顔がカメラ越しに見える気がするんです。
「リアルタイムでお客さまと直接コミュニケーションをとれると思うと無性に元気が出てくる」というから、なんとも香里らしい!
しかしいくら楽しいといっても、時には体力的につらい時もあるに違いない。
そんな時でも明るく、美しくテレビカメラの前に立てるのはなぜなのだろうか。
──お客さまは様々な事情を抱えていらっしゃいます。その中で貴重なお時間を割いてくださるのですから、私も頑張って、応えないわけにはまいりません。
中島香里の尽きない「お客さま愛」がある限り、クリスタルジェミーは輝き続ける、そう感じた記者であった。
今回は「お客さまの声」へのこだわりに迫ったが、香里のこだわりは一つだけではない!
まだまだ語られていない香里の熱い想いを探る調査はまだまだ続く!?
※掲載内容は2013年当時の情報です。